三笠優子 ベストセレクション2011

三笠優子 三笠優子 ベストセレクション2011歌詞
1.のぞみ坂

作詞:仁井谷俊也
作曲:岡千秋

ひとりで生きれば つらいこの世でも
ふたりで暮らせば 悲しみ耐えられる
苦労にやせた 細い肩 白いうなじが 愛おしい
明日に向かって 歩こじゃないか
越えてゆく越えてゆく 人生のぞみ坂

こぼした夢なら いつか拾えるさ
おんなじ過去もつ 似た者同士なら
あなたに逢えて よかったと 涙ぬぐった 片えくぼ
ついておいでよ 離れずそばを
越えてゆく越えてゆく 人生のぞみ坂

世間の冷たさ 冬の木枯らしも
季節がかわれば こころに春が来る
つないだ指の あたたかさ 熱い情けが こみあげる
きっと掴むさ 倖せひとつ
越えてゆく越えてゆく 人生のぞみ坂


2.風の十三湊


3.男の人生

作詞:仁井谷俊也
作曲:三浦丈明

肩をすぼめりゃ こころが寒い
酒を呷(あお)れば なみだが苦い
男の人生 むかい風
誰にわかって 欲しくはないが
せめて濡らすな 通り雨

拗(す)ねて呑む人 無口な人も
みんな淋(さみ)しい 似た者同士
男の人生 いばら道
元気だしなと 肩など叩き
酒を酌(つ)ぎあう 夜もある

路地で見上げる まんまる月が
惚れたおまえの 笑顔にかわる
男の人生 のぼり坂
明日(あす)という日は 見えないけれど
捨てちゃいないさ 夢だけは


4.博多しぐれ

作詞:松井由利夫
作曲:聖川湧

意地と人情の 筑前絞り
粋に捌くにゃ 惚れすぎた
月の那珂川 中州の紅燈(あかり)
縋りつけない 恋の舟

博多しぐれは しんから沁みる
男まさりの 泣きどころ

背伸びしたとて 六本松は
見える筈ない 片瀬波
夢を手さぐり 玄界灘の
風に蹌踉(よろ)ける 影法子

まさか泣くほど 弱くはないが
口と心は 裏腹に
博多人形 市松格子
潜りゃ涙の 袖しぐれ


5.玄海おんな節

作詞:たきのえいじ
作曲:桜田誠一

撥をさばけば 天下一
お酒飲むなら 底知らず
惚れてよかった あんたに惚れて
夢を重ねて 差し向かい
命 いのち 玄海 ああ…おんな節

住めば都の 裏通り
揺れる風鈴 宵灯り
他人にゃ判らぬ あんたの器量
させてください 後押しを
情け なさけ 玄海 ああ…おんな節

花も嵐も この坂も
越えりゃ明日が 見えてくる
何があろうと あんたと生きる
結ぶ縁の 出逢い橋
心 こころ 玄海 ああ…おんな節


6.~吉良の仁吉の妻~お菊残照

作詞:松井由利夫
作曲:岡千秋

照るも曇るも 生きるも死ぬも
女いのちは 連(つ)れ合(あ)い次第(しだい)
吉良(きら)の仁吉(にきち)は 侠(おとこ)の中の
男らしさに しんそこ惚れて
契(ちぎ)りかわした 夫婦雛(めめおとびな)

(浪曲 )
義理と人情を 秤(はかり)にかけて
義理が重たい しがらみに
お菊哀しや はぐれ鳥

世帯かまえて 三月と十日
夢もつかの間 街道しぐれ
降ればなおさら 未練がつのる
情あやとり 乱れる心
紅い手絡(てがら)が 目に沁(し)みる

(台詞)
お菊は 伊勢(いせ)へ戻ります
でも さいごに たったひと言…
こんど生まれてきたときも
お菊は お前さん あんたの
吉良(きら)の仁吉(にきち)の 女房だよ

三河太鼓(みかわだいこ)で けじめをつけて
抱いて行きます 三下(みくだ)り半(はん)を
指にくいこむ 紅緒(べにお)の草鞋(わらじ)
お菊嘆(な)かせの 荒神山(こうじんやま)で
散って咲かせる 花もある


7.送り酒(民謡「お立ち酒」入り)


8.~桃中軒雲右衛門の妻~お浜

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

芸が結んだ 夫婦(めおと)のちぎり
お浜あっての 雲右衛門(くもえもん)
二つ巴(ともえ)を 幟(のぼり)に染めて
語る義士伝
草木もなびく あゝ名調子

(台詞)
不義な女と言われても
かまやしない
私の三味線で
あんたを あんたを
男にしたい

火に火を足せば 炎となって
義理も道理も 焼きつくす
お浜りりしや 世間もすてて
好いた男と
流れる雲に あゝ身をまかす

情(なさけ)の借りは 出世で払う
これが男の なにわ節
晴れの勝負は この三味線で
惚れたあんたを
日本一と あゝ言わせたい


9.望郷千里

作詞:吉田旺
作曲:弦哲也

海峡飛び立つ 海鳥よ
翼をおくれ 妾にも
望郷千里の 血の涙
幾度幾度 流して 耐えたやら

(台詞)
あゝ あれから何年過ぎたでしょう…
いくつになっても故郷が
恋しくて
懐かしくて…

戦(いくさ)の嵐に いたぶられ
縺(もつ)れて切れた 縁糸(えにしいと)
それでも生きてて よかったと
風に 風に 微笑む 紅芙蓉

(台詞)
お母さん…
せめてもう一度お母さんの
あったかい膝で泣きたかった
甘えてみたかった

昭和の倖らに 置いて来た
老女(おんな)が肩を 寄せあって
望郷千里の わらべうた
唱う 唱う 夜明けに 春よ来い


10.木曽恋い鴉

作詞:松井由利夫
作曲:弦哲也

筏(いかだ)流しが 水棹(みざお)にはぐれ
いつか身につく 三度笠
罪でござんす 仲乗り新三
可愛いあの娘と おふくろさんに
詫びる旅路に 雲が飛ぶ
木曽のナー仲乗りさん
愛し新三はナンジャラホイ
どこに行ったじゃやら アアン渡り鳥

(台詞)
あれから六年 俺らすっかり
変わっちまったが ここはちっとも
変わっちゃいねぇ
故郷っていいもんだなぁ

生まれ在所(ざいしょ)の 落合宿で
乙(おつ)な文句の はやり唄
胸に沁みるか 仲乗り新三
人情(なさけ)七坂 母恋い峠
越えりゃ懐かし 里あかり

(台詞)
それじゃこれだけお願(ねげ)えしても
逢ってやっちゃ下さらねぇのか
無理もねぇや
今夜はこのまま黙って山を下りて行きやす
だがおっ母さんこの次帰って来る時ゃ
必ず堅気になって帰(けえ)って参(めえ)りやす
どうかそれまで達者でいておくんなせぇ

板戸(いたど)一枚 おふくろさんの
顔も拝めぬ 罰あたり
錆を落として 仲乗り新三
後(おく)れ月夜に あと振り返り
今度逢うときゃ 堅気だぜ


11.夜寒酒

作詞:石本美由起
作曲:聖川湧

小雨が みぞれに 変わる夜は
抱かれた温もり 思いだす
これからどうして 生きればいいの
泣き虫 独りの 夜寒酒

昔に戻れる ものならば
もう一度 逢いたい すがりたい
叶わぬ運命を 怨んで泣けば
唇切ない 夜寒酒

あなたと一緒に 死ぬのなら
いつでも 覚悟の 恋でした
別れて この世の 無情を悟る
女のため息 夜寒酒


12.心意気

作詞:鳥井実
作曲:花笠薫

つらいだろうが はなすなこの手
あなたの やさしさ 身にしみました
苦労続きの 男の意地を
起(た)ててあげたい いつまでも
それが 女の 心意気

ままにならない 世の中ですと
涙で汚した あなたの背中
今が一番 我慢のときと
夢を捨てずに 生きられる
それが 女の 心意気

川の流れに 棹さしながら
幸せ探した あなたと二人
親子絆を 引き継ぐ橋を
架けておきたい 残したい
それが 女の 心意気


13.屋台ばなし

作詞:星野哲郎
作曲:岡千秋

夫婦屋台(めおとやたい)に 身ぐるみのせて
捨てた昔に みれんはないが
もう一度 咲かそうよ
なあ おまえ ねえ あんた
前と後ろで 声かけあって
花を夢みる 裏町ぐらし

荒れた両手を 見せ合いながら
残りご飯で すませる朝も
グチなんて 言わないさ
なあ おまえ ねえ あんた
夫婦屋台の 赤ちょうちんの
しわの数ほど 苦労がしたい

屋台なかせの 宵街しぐれ
濡れて駆けこむ 馴染みもできた
うれしいわ 縁(えにし)だね
なあ おまえ ねえ あんた
味も未熟な 小料理だけど
真心(まこと)添えれば 笑顔がかえる


14.浪花の夢

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

銭が仇の 世の中だろと
俺は浪花の 夢を売る
なめたらあかんでぇ 男のいのち
暗い御時勢 愚痴など云わず
芸に笑って 芸に泣け

徳利一本 めざしが二匹
ごめんなさいと 云うお前
あんじょうしようや 夫婦のきずな
辛い時代を 連れ添ってこそ
味が出るのさ 人間の

月が浮かべば 枯れ葉が沈む
浮世流転の 涙川
きばらなあかんでぇ 芸道魂
生きて流れて この手につかむ
明日と云う日が 勝負だぜ


15.女の一生

作詞:鳥井実
作曲:伊藤雪彦

男と女が 命を重ね
結んだ縁(えにし)が絆です
娘から あゝ妻へ 妻から母へ
苦労幸せ 幸せ苦労
女の一生 夢航路(ゆめこうろ)

流れる涙を ふたりで拭いて
分け合う痛みも 絆です
春風(はるあらし) あゝそして 枯れ葉の秋を
耐えてしのんで しのんで耐えて
女の一生 夢航路

誰にもわからぬ 明日の行方
それでもふたりは 絆です
浮世川 あゝ今日も 小舟のように
ゆれて流れて 流れてゆれて
女の一生 夢航路


16.母ごころ

作詞:松井由利夫
作曲:花笠薫

わが子が愛(いと)しい ただそれだけで
母はおんなの 命をけずる
白さが目立つ 束ね髪
逢うたび小さくなる その背中
なさけの灯火(ともしび) 母ごころ

いくつになっても 母娘(おやこ)は母娘
通う気持ちは 海山千里(うみやませんり)
囲炉裏(いろり)の火より あたたかい
届いた手紙の ひらがな文字に
しみじみ泣けます 母ごころ

苦労の涙や おんなの愚痴(ぐち)は
ただの一度も こぼさず見せず
あなたが生きて きたように
歩いて行きます この人生を
強くてやさしい 母ごころ


17.人生船

作詞:鳥井実
作曲:花笠薫

長い旅路に 疲れたからと
くじけちゃ駄目だよ なあお前
俺が舵とる 人生船は
苦労と云う名の 海峡越えて
たどり着きたい 幸せ港

からだひとつで 積荷はないが
それでもいいだろ なあお前
俺が舵とる 人生船は
涙と云う名の 海峡越えて
たどり着きたい 幸せ港

浮世 荒波 まともにうけて
船酔いするなよ なあお前
俺が舵とる 人生船は
嵐と云う名の 海峡越えて
たどり着きたい 幸せ港


18.ふたり坂

作詞:鳥井実
作曲:花笠薫

こんな男と 一緒では
淋しいだろうと いうけれど
私はあなたの 女房です
苦労坂道 転げる夜道
あなたが選んだ 道ならば
ついて行きます ふたり坂

握りこぶしを 一度だけ
どこへでも捨て場が ないのなら
私に下さい 女房です
同じ痛みを 分けあいながら
あなたの背中の 影になり
ついて行きます ふたり坂

いつか幸せ 来る日まで
手鍋を下げても 悔いはない
私はあなたの 女房です
苦労坂道 転げる夜道
この手をしっかり 握りしめ
ついて行きます ふたり坂


19.椿散る宿

作詞:あいたかし
作曲:あいたかし

瀬音さみしい 湯の宿に
みれんと云う名の 荷物をひとつ
捨てに来たのと 涙ぐむ
やせた女の ほつれ髪(げ)に
椿散る 散る 湯の宿かなし

そっとつぎたす お酒にも
おもい切れない 面影浮ぶ
せめて酔せて あの人を
忘れさせてと むせび泣く
椿散る 散る 湯の宿かなし

どこかわびしい 三味(じゃみ)の音(ね)が
あれた心を いやしてくれる
水流れる 花でさえ
別れ惜しんで 浮きしずみ
椿散る 散る 湯の宿かなし


20.冬から春へ

作詞:中山大三郎
作曲:中山大三郎

おまえの流した 涙の数の
同じ数だけ しあわせを さがそうよ
そんなあなたの 言葉を胸に
生きて来ました ひたすらに
つめたい冬は まだ続くけど

一度つまずき 二度つまずいて
泣いてばかりの 暗い過去 忘れたい
ここでくじけちゃ おしまいだよと
いつもあなたに はげまされ
世間の目にも 耐えられました

私ようやく わかってきたの
どんな時にも あきらめちゃいけないと
きっと前みて 歩いて行くわ
あなた信じて 生きてゆく
花咲く春が 来るその日まで


21.夫婦橋

作詞:あいたかし
作曲:あいたかし

苦労という字を 幸福(しあわせ)と読み
いつも笑顔で ついて来る
おまえが愛しいよ
雨降れば 雨に唱(うた)って
風吹けば 肩を寄せ
きっと二人で きっと二人で
架けよう 夫婦橋

年齢(とし)のはなれた おまえと二人
冷たい噂を 背にうけて
涙もながしたな
あれた手を そっとさしのべ
明日に向かって 歩こうよ
いつか二人で いつか二人で
架けよう 夫婦橋

必ず花咲く その日が来ると
蔭に日向(ひなた)に この俺を
はげます嬉しさよ
他人(ひと)に言えない 苦労話を
笑って話せる 時が来る
きっと二人で きっと二人で
架けよう 夫婦橋


22.夫婦川

作詞:荒川利夫
作曲:聖川湧

波の数ほど ア…… 苦労の数が
寄せてもこの手を つなぎあう
この世がどんなに 変わろうと
この人を 命と決めた
流されようと……
いたわりあいたい 夫婦川

いつか男に ア…… なる人なのよ
私の支えが いる人よ
咲かせてあげたい 夢ひとつ
人生の 浮雲みたく
流されようと……
明日を信じる 夫婦川

母の手紙が ア…… 涙に濡れる
つらくはないかの その文字に
心で詫びます 親不孝
この人を 命と決めた
流されようと……
幸せ求めて 夫婦川


23.夫婦舟

作詞:荒川利夫
作曲:聖川湧

この川がどこへ流れてゆこうとも
岸を離れた夫婦舟
愛しあう……
ふたりに嵐が吹こうとも
一緒に生きてく あなたがいるわ

浮草に似てもいいのよかまわない
夢が積荷の夫婦舟
ふるさとに……
戻れるその日がなくっても
涙をふき合う あなたがいるわ

幸せをつなぐどこかに橋がある
そこへ着きたい夫婦舟
この人の……
明日に私の明日がある
一緒に生きてく あなたがいるわ


24.人生太鼓

作詞:荒川利夫
作曲:聖川湧

一歩千金将棋の道と
同じなんだよ人生も
水のしずくがその一滴が
川の流れをつくるのさ
そこで男は勝負じゃないか
やる気負けぬ気で打つものがある
アアンア…… アア……
人生太鼓を叩いてみせろ

人の涙にそっぽを向いて
生きる奴なら 友じゃない
右手左手 差しのべてみろ
熱い情がわいてくる
そこで男は勝負じゃないか
勇気耐える気で打つものがある
アアンア…… アア……
人生太鼓を叩いてみせろ

たったひとつの命じゃないか
惚れて女に惚れられろ
そうさ死ぬときゃ誰でもひとり
だから誰かに泣かれたい
そこで男は勝負じゃないか
強気燃える気で打つものがある
アアンア…… アア……
人生太鼓を叩いてみせろ


25.人生情け傘

作詞:水木れいじ
作曲:三浦丈明

雨の屋台の 三三九度で
捨てた故郷と 親ごころ
離れずに…離さずに あんたとふたり
憂き世しぐれに 身をよせながら
惚れてつれあう 人生情け傘

ひとつ越えても 山また山の
つづく苦労の いばら道
振り向かず…振り向けず あんたとふたり
我慢くらべの 駆け落ちぐらし
耐えて忍んだ 人生情け傘

涙つづりの 幾春秋(いくはるあき)も
過ぎてしまえば 語り草
ほどかずに…ほどけずに あんたとふたり
絆一文字 明日に賭けて
夢もひろがる 人生情け傘


26.洞海湾の竜

作詞:塩原洸
作曲:鈴江文人

(台詞)
洞海湾の若松港は裸一貫男の生命
玉井金五郎一命かけて守ります

手かぎ片手にしぶきに濡れて
「どんとこいよ」と仁王立ち
海の仲間を見殺すような
野暮な仁義は俺にゃない
玉井金五郎 体はったぜ若松港

(台詞)
玉井金五郎は男でございます
いくら口説かれても
裏切者にゃなりません
サアサアお帰り下さい

隙間風吹くあばら家暮らし
人の値打ちは心意気
やる気か来てみろ押しても引かぬ
意地と人情のこの垣根
玉井金五郎 生命燃やすぜ夜明け前

(台詞)
背中にほった入れ墨は
女房が牡丹俺は竜
正義に生きる夫婦星 人呼んで
花と竜と申します

汗と涙の洞海湾は
海の男の生きる道
きれいな血を吸う虫けら共に
負けてたまるか生命がけ
玉井金五郎 暴れまわるぜ花と竜